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執筆者の写真早稲田ラグビー戦術研究会

フォルドアップDFについての考察

更新日:2020年3月30日

はい、勝手に名前をつけました。すみません。

海外サイトなどを探せば何か名前が出ているのかも知れませんが、国内ではまだ名前が付いていないようなので「新型アンブレラ」と呼ぶ代わりに「フォルドアップDF」と呼ばせていただきます。



フォルドアップDFと私が指しているものはアイルランドやイングランドが今回の一連のツアーで見せたDFシステムである。

参考となる映像を探してみたものの、あまり良い例が見当たらなかったため、試合を通して感じたものをハイライトなどからの少ない情報と合わせて多少の推測も交えながら考察しようと思う。


まず、名前の由来となった特徴的なDFの形について触れる。


雑な図ではあるが、このようにBD左側のオフサイドラインとDFラインが折り畳まれているように見えることから勝手にfold-upと名付けた。




またこのようにfoldの面の状態でupするため、という理由もある。


従来こうした内側よりも外側が前に出るDFは、ギャップが出来るためタブーとされていた。

しかし、パスコースを限定するために外側が前に出るアンブレラDFが出現した。

そしてこのフォルドアップDFはアンブレラDFの進化系と見られる。


基本的にフォルドアップDFではトイメンのアウトサイドにセットしていると思われる。

外側から追い込むことによってギャップに仕掛けることが困難になるためである。

また、このDFでは特に内側のプレーヤーのサポートが重要になってくる。

外側のプレーヤーがキャリアーを上手く追い込んでいれば、キャリアーは内側に切り込むため内側のプレーヤーはすぐに外へのサポートへと走らなければならない。

これに加えて、面を内側に向けて揃えるということも重要である。これは他のDFシステムと同様に、ギャップを生まないためである。


以下は少し詳細なフォルドアップDFの図である。



このDFの真に評価すべき点は、内側に面を傾けているのにも関わらず、大外ではドリフトDFのために外側に面が傾けられていることである。

確認した限りでは、アイルランドでは外から3番目の選手以降でドリフトを行なっているケースが多い。また、この外向きの面もケースバイケースで内向きにされている場合も見られるため、WTBの判断とコールでどちらにするかチョイスしていると思われる。

内側の選手は前述の通り、まず内側のコースを抑え、大外展開された場合にはカバーDFのコースをとる。

これによって、ゲインを許しながらもどこかの地点で相手を絡め取ることができている。


メリット:

SOのパスコースを塞ぐことで、SOがヒットするケースが増加する。結果として肉体的にも精神的にもSOにプレッシャーがかかる。

SOがパスした場合にはレシーバーのキャッチと同時にタックルすることができる。また、DFでゲインすることができる。


デメリット:

裏へのグラバーを狙われやすい。

意識が外へ向くため、ブレイクダウン近場のDFがおろそかになりやすい。


攻略法:

手っ取り早いものとして上にあげた裏へのグラバーキックがある。

他にも、執拗な近場アタックが挙げられる。

また、ダブルラインを引くことでSOのパスコースを塞がれることを予防することができる。

さらに、攻略の実例として見られたものでは、通常より深いラインを引くことや、頭を超えるような高い弾道の飛ばしパスなどがある。



以上がフォルドアップDFについての考察です。

推測の部分が多いため、実際のものとは異なる可能性があります。

考察をより正確なものにするため皆様からのご意見、ご指摘等お待ちしております。

また、以降このDFシステムを「フォルドアップDF」と呼んでくださると幹事長が喜びます。

駄文失礼いたしました。

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