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執筆者の写真早稲田ラグビー戦術研究会

テリトリーVSポゼッション

これはラグビー界で対極に置かれる考え方だと思う。


キックでテリトリーを取りにいくこと=ポゼッションを放棄すること

ポゼッションを重視すること=テリトリーを軽視すること


と考えている方がとても多いように感じる。

しかし果たして本当にこの考え方は正しいのだろうか。



ポゼッションを重視することはテリトリーを軽視すること。というのは自陣においてのみでしか当てはまらない考え方である。また、自陣でポゼッションを意識し、ATを継続することで確実にゲインができるならば、テリトリーを意識しているとも言える。


また、テリトリーを重視してキックによってポゼッションを一時的に放棄することは、後のポゼッションにつながると考えられる。

タッチキックを蹴ることで相手ボールのラインアウトになったとしても、スチールする可能性はある。

また、タッチに出さないようなキックでも、正しくチェイスすれば相手が陣地をあまり回復できないタッチキックを蹴ることも多々ある。

この場合にはマイボールラインアウトを得ることができる。

さらに、現代ラグビーにおいては自陣22m以内からはキックがセオリーであるため、22m内に蹴り込めばボールを取り返す可能性も高まる。


このように、高いレベルのDFを前提にして言うならば

「テリトリーを取ることは即ちポゼッションを得ること」

と言うことも出来るのではないだろうか。

また、実際の試合において自陣からのATで毎回ゲインできるチームはそうそうない。

そのため、有利な位置でのポゼッションを再度得るために、ボールを一時的に放棄するのである。

このように考えると、テリトリーとポゼッションは対立する考え方ではなく、むしろ両立するもので、等しく重要であるということがわかる。


現在のラグビーにおいて自陣からATをするチームが少ないのはこういった考えが根底にあるからであろう。

少し冗長に書いてしまったが、要するにテリトリーを重視するということは広い意味で言えばポゼッションを重視することと解釈することもできるということである。


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