前回記事でうまくまとめきれず二つの記事に分けてしまって申し訳ありません。
強引に続けてもよかったのですが、内容が多くなりすぎると読みづらくなり、こちらの考えをうまく伝えることができないと判断し、2記事に分けさせてもらいました。
今回はシャローDFと、それを含めた全てのDFシステムにおいてよく見られるミスについて説明したいと思います。
一口にシャローDFと言っても、考え方や詳細はチームごとに異なる。以前もtwitterこのように述べた通り、
ラグビー界では用語が厳密に定義されていないため、まずは私が他記事などで言及するシャローDFについて説明する。
シャローDFとは、各選手が相手の選手を内側から順にノミネートし、オフサイドラインの解消とともにタッチラインと垂直な面を保ちつつ真っ直ぐに走りプレッシャーをかけるものである。
大まかな定義としてはこのようになる。
しかし、これを行うだけでは不十分である。シャローDFを完璧たらしめるために、以下の事が絶対条件となってくる
常にブレイクダウンの両サイドにピラーを2枚ずつ配置すること
トイメンの外側にセットする事
トイメンがボールキャリヤーになる可能性が消えたときに速やかに内側からプレッシャーをかける事(この時のコースは基本的に斜め45度)
パスでボールが浮いている間に全速でアップする事
反対にボールが浮いていない間は相手の動きに対応できるニュートラルな姿勢でいる事
数的不利の場合は速やかにOWTBもDFラインに連動して上がる事。=一人だけ受けのDFをしてはならない
エキストラランナーがATに参加してきた場合は外側のプレーヤーがノミネートを一つ内側にずらす事。
一つ目のことはどのDFでも共通の約束事であるため、割愛する。
二つ目と三つ目の事柄を実施すれば、相手プレーヤーを左右から挟み込むことになるため、DFが容易になる。また、この場合には常にダブルタックルが成立するため、ゲインされる確率を下げる事ができる。
四つ目、五つ目の条件はシャローDFの肝となる部分であるが、意識されていない事が多い。
人がボールを持っている間はどのようにキャリヤーが動くかを考えなければならないため、むやみにアップすることはできない。ここで様子を見なければギャップを突かれたり、サイドステップなどで入れ違いに、簡単にDFラインをブレイクされてしまう。しかし、常に様子を見ていると、プレッシャーをかける事ができないため、ボールが宙に浮いている間は絶対に全速力でアップしなければならない。ここでアップして、トイメンのボールキャッチと同時にタックルに入る事が理想的である。
六つ目と七つ目の項目はシャローDFの絶対条件であるとともに、多くのチームでよく見られるDFの綻びでもある。
まずは六つ目について。
記憶が少し薄れているが、前回のSRのサンウルブズの試合では周りが前に出てDFしている中、WTBが一人だけ受けてDFしているという状況がよく見られたように感じる。これが起きる理由として考えられるのは数的不利をカバーしようという意識と単なる相手への恐怖である。多くのWTBは数的不利の状態で全体がシャローDFを仕掛けても一人で外側全てをカバーしようと流してDFする傾向がある。しかし、実際にはこれは逆効果である。一人で外側全てをカバーすることよりも、自分もシャローDFに加わって大外への展開を防ぐ事の方が容易である。また、この時にFB、BWTBも連動して動いているはずであるため、人数の不足分はこの二人で補う事が可能である。
最後に七つ目の点。これはもしかすると、ここまで説明してきた点の中で最も重要な事であるかもしれない。そもそも、これが出来なければいくらプレッシャーをかけたところで、簡単なサインプレーで全てが無に帰してしまうからだ。しかし、これが出来ていないチームはとても多い。その原因は、コミュニケーションの不足と視野の狭さである。確かに、エキストラランナーが突然入り込んでくることを咄嗟に察知することはとても困難であるが、DFセットした時点で、その可能性をチームで共有する事ができれば、事前にある程度の心構えはできる。そのため、コミュニケーションが不足しているとこれに翻弄される事がある。また、心構えをした状態でDFにあたっても、視野が狭ければエキストラランナーが入ってきたことに気づかないという場合もある。これに関しては試合中に修正することは非常に困難であるため、常日頃からエキストラランナーが入ってくるATを想定したDF練習を行う事が必要である。
以上がここでのシャローDFの定義、説明です。
また、ここで挙げた最後の二点が前回記事の冒頭で述べた、DFの穴という部分に繋がります。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
また少しわかりづらい記事を書いてしまいました…文章力向上に努めます…
疑問、コメント等ございましたら、ご連絡ください。マシュマロを投げてくださっても構いません。
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