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執筆者の写真早稲田ラグビー戦術研究会

オーストラリアvsアイルランド第2戦

なぜ第2戦をチョイスしたのか自分でもわかりません(Jsportsオンデマンドで上の方に表示されていたから??)

第1戦も第3戦も見ていないのでこの試合単体での感想となります。


この試合の肝はアイルランドの9シェイプだと感じました。

前半はやくに、アイルランドはキックオフで深く蹴り込まれ、通常ならすぐさまキックで脱出するという局面で9シェイプで数回アタック。その後、オープンWTBが下がっている大外に展開で大きくゲインし、キックでさらにゲイン。これは周りの選手達もキックの指示をしているので戦略的になされたものだと思います。



このように9シェイプと展開をうまく使い分け、相手DFを揺さぶった後、空いた裏のスペースにタッチキックを蹴りこむという見事なエリアマネジメントが何度も見られた。


自陣に食い込まれたオーストラリアは脱出のために何度かロングキックを蹴り返すが、その度にカウンターで結局自陣に持ち込まれるというかたちとなった。タッチキックを蹴られても、ラインアウトからセンターまたはFWランナーでアタックし、ミッドフィールドにボールを運び、二回順目に9シェイプを当てて(BKに対してFWを当てるという意図。カバーするためにFWが順目に回ってきたところで)、逆目に展開するというパターンで大きくゲインしていた。つまり、アイルランドはエリアマネジメントを完璧にこなすことでポゼッションをも手に入れていた。また、オーストラリアはペナルティも多かったため、アイルランドにとって敵陣でプレイすることがそのままスコアに直結していた。


それを受けてか、前半の22分のキックオフから、オーストラリアは全てのキックをコンテストキックにシフト。まずはポゼッションを重視し、地道なアタックでゲームを立て直すという意図が見られた。

また、オーストラリアはDF面でも、大外展開対策としてバックドアに対するプレッシャーを強化していた。(これも最終的にはアイルランドのアタックオプションでかわされてしまっていたが)


このように、状況を見てしっかりと対策をしていたオーストラリアを相手にアイルランドが勝てたのは先にあげた9シェイプの強力さが要因だと思われる。

このアイルランドの9シェイプが優れている点は、そもそもFWランナーが力強いということのほかに、9シェイプ(10シェイプにおいても)の外側に位置するFWランナーのコースどりが絶妙だという点もある。強力な9シェイプを止めるためにオーストラリアのピラーは前に出てプレッシャーをかけていたものの、外側のBKが連動しておらず、ギャップが生まれていた。そのギャップに対して外側のランナーがうまく内に走り込んでいたので、常に9/10シェイプでアイルランドはゲインしているのだと感じた。


アイルランドは前半は完璧なゲーム運びをしていたものの、後半に入ってからは疲れからか、DFでのミス、それによるペナルティが続出していた。そのせいでエリアもボールも奪われていたが最後は粘り強くDFして逃げ切ったという印象。



P.S

後半56分あたりのアイルランドのハイパントだけは意図がわかりませんでした。


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